世間では、音楽業界は不況だと言われていますね。実際20年前に比べると、全体で半分近くまで落ち込んでいるというデータが出ています。主な要因としては、市場がCDからインターネットに代替しているという事。インターネットからのダウンロードは、パッケージに比して単価がもの凄く安いですからね。
しかし、考えようによっては、90年代が所謂バブルみたいな時期だったんだ、なんて見方をしてる方もいらっしゃるようです。確かに、音楽史的に見ても90年代程の利率は異例ですよね。モーツァルトの時代なんかは、パトロンの存在があった上での作家さん、という表現も当てはまるくらいですから。
こんな時代にあって、音楽を志す人達の中で”先行き暗し”と見ている方はどのくらいいるのでしょうか?自分達の胸中の不安は数値化出来ないので、統計も出せませんけどね。
ただ、自分なんかは、そんな状況にあるからこそ、かえって楽しんで事に臨んでもいいんじゃないかと思っています。どうやって、販売していけばいいのか、どうやったらより多くの人に聴いてもらえるのか、大衆は何を求めるのか、ーーしかしながら考えてみれば、これはいつの時代にも、又、どの分野のビジネスにも当てはまるワードですね。そういった時代時代、分野分野でのあらゆる制限の中で、偉人達は花を咲かせてきたのでしょうから。そもそも、人の成し得る発想のほとんどは、そういった不自由や固定化された枠組みがあったからこそ、そこから抜け出んばかりのエネルギーで持って、その能力を開花せしめて来たものと、そんな風に自分なんかはポジティブな解釈をしております。
重ねて思う事は、従来、威力のほとんどを独占していた大手レコード会社というのも、まだまだその力を発揮する事に変わりはないのかもしれませんが、今後は個人事業主みたいな形(インディーズに当たるのですかね)の小規模グループが、その市場のほとんどを埋めて行く、そんな近未来像が、なんとなく自分の中に描かれ始めています。今、わざわざ既存のレコード会社に自分を売り込む必要はなく、直接大衆の方々に自分を売り込んで行く時代、或いは”それが可能な時代”なんじゃないかと見ています。
いつの時代も、その華やかさで人々を虜にして来た音楽産業、果たして今後の行方は何処へ・・・!?