世の中には、数限りない才能が溢れています。また、それと同じだけ、その表現方法、分野が確保されています。
そして、その全てが、時には互いを刺激し、また時には補い合って地球は動いています。
数字に強い人には経理を任せれば良いです。
感覚に優れた人にはクリエイトを担当させればいいです。
満遍なく全体を見渡せる視野を持った人間には指揮を取らせればいいです。
自分らの業務や組織に必要な直接的な能力に乏しければ、サポートに回って貰えばいいです。
人間性に置いて柔らかみがある人間には、チームスタッフやクルーの取り持ち役を担って貰えばいいです。
自分の場合、恐縮ながら手前味噌な部分から先に言わせて貰うと、
俳句を書かせて貰えれば、銅賞を取ります。
また、絵を描かせて貰えれば金賞だって取ります。
曲を書くとなれば、例えばポップスの規模のものであれば、ものの数分です。
しかしながら、僕は、例えば電卓が使えません。
簡単な計算式を一度はじきだします。
そうして、もう一度同じ計算をしてみると、もう既に数が違っているのです。
だから、僕は電卓を使いません。それは、出来る人に任せればいいのです。
フランス料理の厨房に入った時もそうでした。
厨房では、いくつかのオーダーを同時進行させて料理や器を用意して行きます。
これが、僕の能力を超えていました。
僕は、
「これ、俺には無理だな」
と判断しました。
だから僕は、そこではサポートに回りました。
先輩や出来る人間が、今何の作業をしていて、次に何を欲しているのか。出来る人間がやる必要の無い瑣末な作業を一歩だけ早く動いて処理する努力をしました。
塩や胡椒、オリーブオイルなどの補充は僕がやればいいのです。
また、
「お前が来てから厨房が綺麗になったなー。」
と言われるほど掃除を担当すればいいのです。
でも、そんな僕の別の分野での能力を買って、ついて来てくれる仲間がいます。
それでいいのです。
出来る分野では率先して作業を進めて行きます。
出来ない分野に置いては、出来る人間を全力で立てます。
この法則を一人でも多くの人が理解し、更に、自分の得意な分野を探り出し、その向上に労力を費やす。
そうして、互いを立てながら、補い合って前に進んで行く。
だから、人との出会いに飽きるという事がないのです。
互いの能力を発見すればするほど、僕らはより倍率を上げて前に進んで行けるのです。
一成