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    僕の20代前半は、人生の大敗を喫した時期だ。

    目標達成の中途で起こるであろうと予想されるあらゆる壁に備えて徹底した準備をした。

    こんな事もある、あんな事もある。
    と、想像で自身の成功している姿を塗り固めて行ったのだ。


    しかしながら、
    実際に行動に移してみると、
    現実の動きはーー自分と、自分を取り巻く一切の現象はーーまったく予想していたものとは異なっていた。

    予想していた問題は、何一つ起こりゃしなかったのだ。

    その代わりに、目標達成に直結する知識や技術、人脈、資金など、
    本当に必要となるものを何一つ用意出来ていなかった。


    この状況を認識した時、
    突如として絶壁から突き落とされたかのような衝撃を味わった。


    振り返ってみれば、
    誰よりも早い時期から自身を社会的、または経済的に律する事を心に決めて動いていたはずなのに、
    気付けば、その大半を無駄な事で埋め尽くしていた。

    殊に悪いのは、
    自分を孤高の存在と勘違いし、”個”に固執していた事だ。

    まさに、
    中島敦の「山月記」に同じだ。

    学生時代に読んだ、あの小説程、痛烈に僕を語っているものはない。

    ーーー実のところ、
    まさに己に固執していた時期も、胸中の何処かでは、
    「山月記にだけはなるなよ。」
    と、自分に言い聞かせてはいたのだが、
    まぁ、個人的な諸事情も重なり、”そうせざるを得ない時期であった”と言えば、それはそれで否定も出来ないのだが。
    とは言え、
    案の定、「山月記」状態になった事実は否めない。ーーー


    いづれにせよ、
    僕の20代前半の人生設計は、見事に失敗に終わった。




    それでは、一体何処に問題があったのか。
    どうしていれば間違わなかったのか。

    それは、自分一人の想像にだけ頼ってしまった事がこの失敗に繋がったのだと解釈している。


    そうではなく、
    見切り発車でもいいから、兎に角行動を起こしながら、都度ぶつかる壁に対して必要な知識を入れるという現実的な対処をこなしていかなければならなかったのだ。


    つまり、どんなに準備したつもりでも、所詮机上の空論では何の役にも立たないのだ。
    100の勉学よりも、目標達成に直結する1の行動が大切なのだ。




    これが、僕の20代前半で経験した人生の大失敗だ。


    とは言え、
    それが文字通り全くの無駄だったのかと言うと、決してそうではないとも思っている。



    20代前半に限らず、この歳になるまで相当の”無駄”で人生を埋め尽くして来た。



    その殆どが、僕の目標達成に直接役立ちはしないものばかりだ。



    しかしながら、
    その膨大な無駄を蓄積した事によって、しっかりとした人生の基盤を作れたと思っているのだ。


    これから、物凄く巨大なピラミッドを構築して行こうとしているけど、
    それが崩れないだけの土台の部分を固めるのに、必然的に必要だったものばかりなのかもしれない。

    すなわち、
    「目的達成」という意味では大敗の20代前半だが、
    「人生の基盤作り」という意味では、必然の結果なのかもしれない。



    このようにして、
    生まれてから20代前半に至るまでは、
    膨大な量の”無駄”を経験して、しっかりとした地盤を築き上げる時期だ。

    若くして判断力も無いまま、どうやって生きたらいいのかも皆目見当が付かず、”自分”を捜し求めてもがき苦しむのだ。


    そうして手当たり次第試みた事は、全て着実に己をデカくする肥やしとなる。





    そうして、
    20代も後半に入り始める頃には、
    もうこのような”無駄”に時間を費やしている暇はないと見たほうがいい。


    ここからは、目的達成に必要な事を見極め、焦点を確と定めた上で適切な行動を起こして行かなければならない。


    この事は、人生の成る可く早い段階で気づいた方が良さそうだ。



    世の中で成功者と言われてる人達は、例外なく”見切り発車”が出来る人達だ。

    行動と勉学を両立出来る。

    完璧を求め過ぎて、一歩も踏み出せないという無様な振る舞いはしない。




    それらに比べて、僕は徹底的に無様な生き方を全うして来た。




    これからは、この学びを元に、
    少しでも実績の伴う、まともな人間になりたいと強く願っている。



    重ねて、
    僕より若い世代には、
    声を上げてこの教訓を伝えて行きたい。






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