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    僕は、とある時期に、とある旅館のお土産コーナーで働いていたことがある。

    旅館のお土産コーナーというと、なんだかこじんまりとしていて、”おまけの区画”であるかのようなイメージを持たれるかと思うが、


    そこは、そんな一般のイメージに反して、大層なスペースをぶん取った大層な構えのショップだった。



    しかしながら、



    そこに置いてあるものといえば、


    軽い飲食物、
    土地の名物煎餅、
    甘菓子、
    少ない種類の雑貨、
    記念の小物やおもちゃなど、

    兎に角当たり障りのないものばかりだった。



    赤字を出すわけではなかったが、
    まぁ、言ってみれば、
    有っても無くてもいいような空気のような区画だった。

    あそこまで大層なスペースを取っている割にはお客様の目にも入らないというような、

    なんだか上手い説明の付かない場所だった。




    僕は、

    働き始めの当初、


    正直言って戸惑っていた。



    一人でお店を任され、


    また、ご来店いただくお客様の層が、予想を超えて幅広かったため、


    お客様一人一人に対して、どのような対応をしたらいいものか、


    兎に角、足が動かなかったわけだ。



    ただの棒立ち状態である。



    刻一刻と酸素だけを奪う、


    地球、
    はたまた、
    人類への、


    単なる有害物質であった。






    旅館というと、


    割と年配の方が多く利用するイメージが強いかと思うが、



    そこに限っては、

    場所柄も手伝ったのか、

    全然、
    若いカップルもいれば、

    “オヤジ”と”生娘”という興味深い組み合わせもある、

    「あれは、どこからどう見ても不倫だろう。」
    といった考察に飽きないツガイもある、


    まぁ、
    見てるだけでエンタテイメントであると言って、決して間違いではない


    桃源郷なのであった。









    以前、

    人と話すことが困難であった時期に、

    どうにか克服しようとして、


    1ヶ月間、ナンパをし通した経験を持つ筆者が、


    これはどうしたものかと、


    改めて戦略を練るに至った。







    何、戦略とて、大したことを考えたわけではない。

    筆者、
    元来が無能の男である。

    考えられることなど何も無い。



    では、どうしたのか。


    そう、
    ただ、
    果敢に前に出たのだ。


    脇の下の冷や汗を隠して、
    まず、話かけることから始めてみた。




    先人が残した言葉の、

    「足で考えろ!」

    を素直に実践したのである。


    そう、
    未熟な己の、

    小さな想像の中には決して存在しない”答え”を

    行動により、掘り当てようと動き出したのだ。



    そうだ!
    “自分が描く想像”
    と、
    “実際に我々が求められる結果(成果)”
    との間には、

    偏に”矛盾”しかない。



    それら双方の一致は、


    闇の中をもがき、彷徨い、

    それでも果敢に前に出た者だけが手にする


    光の地だ。






    また、口だけがデカくなってしまった。
    筆者の悪い癖である。

    だから、誰にも相手にされないのである。


    話を戻す。





    お客様にお話しかけるには、

    当然、
    お土産コーナーの商品知識を網羅せねばならない。



    客「これ何ぃー?」

    チン(←筆者)「あぁ、これは、はははっ。苺の大福です。是非買って下さい。」

    では、話にならない。




    ので、
    少しでもお客様に興味を持ってもらえるような情報収集を第一課題とした。


    まぁ、これは、馬鹿な筆者なりに
    無理くり詰め込んだだけだ。





    それから、
    人間とは面白いもので、


    どんな馬鹿でも、
    ひたすら話しかけていると、


    当初のしどろもどろ加減も、いつの間にやら消えゆくものである。




    時折、失言もあるものの、
    果たして、
    一ショップ店員になれた瞬間なのかもしれない。

    無論、それだけでは、

    まだまだペーペーだ。











    それから、
    筆者が次に目をつけたのが、

    ★カエルのキーホルダー★

    だ。




    実は、お土産コーナーの商品とは、
    言うて、
    人間心理、購買意欲に訴えかけ易いのをご存知であろうか?



    人は、何かのイベントや遠出の際に、



    つい”思い出”を買いたくなる。




    名所や観光地のサービスや物産、商品がやや高めの値段設定なのは、


    それでも財布の紐を緩めてしまう、


    お客様の心理を的確に射抜いた戦略結果だ。






    その話はさて置きとしても、


    このカエルのキーホルダーは、
    そんな中でも、
    財布に優しい値段設定、
    かつ、
    他に類を見ない独自の可愛らしさを有した
    お土産コーナー目玉商品であった。



    ………….と、勝手に筆者が決めてしまった。


    大丈夫!


    何事も、
    思い込み、
    イメージ、
    スタイル、
    から始まるのである。


    その後で、現実のものにしてしまえばいい






    これを販売するのにどうしたか。



    チン「これ見て下さい!めちゃくちゃ面白くないですか?この馬鹿ヅラながらの、この愛想良さ!当店一番の人気商品なんです!是非お手に取ってご覧ください!」

    と、まず盛りに盛った。



    そして、渡し方にも一工夫。



    敢えて、裏っ返しのまま渡すのである。



    すると、
    次の瞬間、

    お客様は、
    まず間違いなく

    「……….?」

    という顔をする。


    そこで、絶妙なタイミングを計った上で、

    チン「あー!失礼しました。逆でしたぁ!」

    ときて、笑かす。



    ここで、
    お客様は、チンの営業行為に対する心理的壁を我知らず払拭し得るのである。




    そうこうして、
    お客様との身の上話や天気のことなど、
    当たり障りのない話題から入り、


    場合によっては、互いの一歩穿った身の上話で距離を縮める。



    そうすると、
    お客様は、
    それら相互信頼の上に、初めて、


    客「じゃぁ、一つ買ってくよー!(笑)
    兄ちゃん、商売上手だねェー。」

    チン「恐れ入りますぅー!(笑)」


    と、財布の紐を解いてくれる。




    そのようにして、

    決して商品をそのまま売ろうとするのではなく、


    店員自身の人柄や、
    その場の面白さ、
    相手への好奇心から生まれる相互信頼、



    または、



    商品やお土産コーナー、土地柄に関する情報、知識、雑学、

    など、

    謂わば、“無形の財産”を販売(提供)するのである。




    場合によっては、
    店員自身の人生哲学やとんでもない体験を話すことによって、


    客「兄ちゃん、なかなか面白いねぇー。
    よし分かった!兄ちゃんが気に入ったよ。
    これ一つ頂戴。」

    なんてことにもなるかもしれない。





    その後に、
    決してお客様には、

    “買わされた感ーー後悔”

    を与えることなく、お帰りいただく。




    その場で終わり、ではないからだ。




    必ず、リピートいただく、次の来店をイメージして臨まなければならない。



    ご縁を大切に育んだ先には、
    より大きな実がなることを信じて疑わないからだ。
    このことは、別項でも触れているが、
    筆者の強固な人生哲学となっている。
    (そのような意味で言えば、このカエルのキーホルダーは、人と人との架け橋となる、ご縁のキューピットなのかもしれない。)




    先述の教訓に関しては、
    筆者、以前ガソリンスタンドにてアルバイトをしていた経験があるが、

    この時に
    “水抜き”
    というものを販売していた。


    筆者、
    それらの商品知識もないまま、

    顧客満足度も考えることなく、

    ただただ、
    成績のため、
    自分の楽しみのため、
    だけを思って
    売りに売っていた。



    今(水抜きを)入れておかないと、
    間も無く大変なことになる。
    直ぐにタンク内の錆が来てしまう。
    もう、規定の期限を半年も過ぎてますよ!


    と、いかにも大層なことを言って、
    お客様の不安を煽ったのだ。



    その時のお客様の表情といったら、
    笑顔のそれではなく、
    飽く迄、
    心配のそれだった。



    あとで振り返って思ったことだが、


    お客様の満足度を考えない、その場限りの商売は、決して双方に本当の幸せをもたらさない。




    ご縁に繋がらないからだ。


    ご縁こそが、
    我々に必要な本当の財産をもたらしてくれる


    ーーこの時に、筆者は販売成績トップという輝かしい座の享受に与ったが、今思えば、中身の無い、虚構の輝きであった。







    それともう一つ、

    “ご縁”とは、他力本願で、たまたま降りかかってくるものではない。

    自らが手を伸ばし、
    大切に育み、
    着実に紡いでいくものだ。

    そのための自分磨きも、また、欠かしてはいけない一要素になってくることは、もはや言うまでもない。









    またしても、話が膨らんでしまった。


    元に戻そう。



    そう。



    そうこうしているうちに、


    とあるお客様から、端的かつ、的確なアドバイスを戴くに至った。


    この一言が、
    カエルのキーホルダー売上数に大きく貢献していくことになる。


    この時、既にターゲット策定から2ヶ月目に突入していた。


    販売数が上がりに上がる、

    その丁度分岐点に、


    さりげなく落とされた天使の涙であった。



    ーーー

    次号に続く。









    コメント一覧

    返信2021年2月2日 12:55 PM

    watch24/

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